【神社めぐり】大鳥神社(おおとりじんじゃ)

〜日本武尊を祀る全国大鳥信仰の総本社〜

大阪府堺市西区鳳北町に鎮座する大鳥神社(おおとりじんじゃ)は、
日本各地に約200社ある「大鳥神社」「大鳥大社」などの総本社
にあたる、
由緒ある古社です。

古くから**「鳳(おおとり)の大社」**と呼ばれ、
堺の地を象徴する存在として人々に親しまれています。


◾ 由緒・歴史

創建は神武天皇の御代にまで遡ると伝えられ、
日本武尊(やまとたけるのみこと)が白鳥となって飛び去った地に社殿を建て、
その御霊を祀ったのが始まりとされています。

『日本書紀』によれば、
東征を終えた日本武尊は伊勢で崩御され、その魂が白鳥に姿を変え、
各地を飛び回ったのち、この堺の地に留まったといいます。

その白鳥の舞い降りた場所こそが、大鳥神社の鎮座地
以来、尊の御魂を鎮める神として、「白鳥伝説」発祥の地とされてきました。

奈良時代には**「大鳥大明神」として朝廷からも篤く崇敬され、
延喜式神名帳にも記載される
式内社(名神大社)**に列せられています。
中世以降は「大鳥信仰」が全国に広まり、
日本武尊を祀る多くの分社が建立されました。


◾ 御祭神

  • 日本武尊(やまとたけるのみこと)

勇猛果敢にして、正義と忠誠の象徴とされる伝説の英雄。
その御魂は白鳥に姿を変えて天翔けたと伝わり、
「大鳥(白鳥)の神」として祀られています。

また、境内の摂社には次の神々も祀られています。

  • 大鳥連祖神(おおとりのむらじのおやがみ)
  • 下照姫命(したてるひめのみこと)

◾ ご利益

大鳥神社は、**「再生」「飛躍」「勝運」**のご利益で知られています。

日本武尊が白鳥となって天へ昇った伝承から、
「新たに羽ばたく」「苦境を乗り越える」象徴として信仰されています。

主なご利益は以下の通りです。

  • 勝負運・仕事運上昇
  • 厄除開運
  • 交通安全
  • 立身出世
  • 家内安全
  • 心願成就

特に「勝運」「再生」の神として、スポーツ選手や受験生からも人気があります。


◾ 見どころ

● 本殿(重要文化財)

現在の本殿は室町時代後期(応永33年・1426年)に建立されたもので、
国の重要文化財
に指定されています。
古式ゆかしい「三間社流造(さんげんしゃながれづくり)」の社殿は、
長い歴史の重みを今に伝える堂々たる佇まいです。

● 白鳥陵古墳

境内のすぐ北には、
日本武尊の御陵とされる**白鳥陵古墳(しらとりりょうこふん)**があります。
「古事記」にも登場する伝説の地であり、
静かな木々に囲まれた神聖な空気を感じることができます。

● 大鳥居と参道

境内入口の大鳥居は堺市のシンボル的存在。
長い参道を歩くと、徐々に静寂と荘厳さが増していき、
“神域に入る”という感覚を味わうことができます。


◾ 年中行事

  • 例祭(5月):古式ゆかしい神事が行われる春の大祭。
  • 大鳥大社夏祭(7月):地域に活気をもたらす賑やかな祭り。
  • 酉の市(11月):商売繁盛を願う熊手市。
  • 初詣(1月):大阪南部屈指の参拝客数を誇る人気初詣スポット。

◾ アクセス

  • 所在地:大阪府堺市西区鳳北町1丁1-2
  • 交通
     ・JR阪和線「鳳駅」から徒歩約5分
     ・南海バス「大鳥神社前」下車すぐ
  • 駐車場:あり(参拝者用無料駐車場)

◾ まとめ

大鳥神社は、日本武尊の魂が宿る“飛翔の聖地”
勇気・挑戦・再生を象徴する神として、
時代を超えて多くの人々に希望を与えてきました。

その荘厳な社殿、静寂に包まれた参道、白鳥伝説の残る神域。
どれを取っても、まさに“英雄の神を祀るにふさわしい社”です。

新しい一歩を踏み出したいとき、
苦難を越えて前に進みたいとき——
大鳥神社は、あなたの背中をそっと押してくれるはずです。

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