日本全国には「日本三奇」と呼ばれる、常識では説明できない不思議な存在が残されている。
その一つが、兵庫県高砂市「生石神社」にある 石乃宝殿(いしのほうでん) だ。
現地に立つと誰もが最初に言葉を失う。
巨大な石の塊が、わずかな接地面だけで「水面に浮かんでいる」ように見えるのだ。
■石乃宝殿とは何か?
石乃宝殿は、横約6.4m・縦約5.7m・高さ約5.4mにも及ぶ超巨大な石の建造物。
まるで古代の石室を製作途中でそのまま置き去りにしたかのような姿をしている。
不思議なのは、その存在感だけではない。
石は「御神水」が溜まる池の上に浮かんでいるように見え、底がどこまで続いているのか未だに明確には分かっていない。
■建造者は誰なのか?
古代文献や社伝には、建造に関わったとされる人物が多数登場する。
- 大国主命が造らせたという説
- 聖徳太子が造りかけた仏殿という説
- 物部氏の力で造られた霊的な石室という説
ひとつに絞れないほど、神話級の人物の名前が堂々と並ぶのが、石乃宝殿のミステリー性をさらに強めている。
「途中で造営が中断された」という説も有力だが、なぜ中断されたのかも記録はない。
“そもそも何のための巨大石室なのか”が謎のままなのだ。
■史跡研究者を悩ませる「浮いている理由」
地質学的に説明すると支承部はごく一部で支えられている構造らしい。
だが、物理構造を理解しても、現地に立つとやはりこう思う。
「これは人間だけの技術ではないのでは?」と。
古代の人々がこの巨石をどのように掘り、どのようにここまで運び、そしてどのようにこの形状に整えたのか。
現代でも工学的に再現は不可能とまで言われる。
■日本三奇は「なぜ創られたのか」を考える遺産
日本三奇に共通するのは、**「目的が分からないままそこに在る」**ということだと思う。
石乃宝殿は特にその象徴。
「なぜ造ったのか?」という問いを、現代の私たちに投げかけ続けている。
■アクセス
- 場所:兵庫県高砂市阿弥陀町生石 生石神社境内
- 参拝無料
※石乃宝殿は本殿の奥にある御神体として鎮座している。

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