今回ご紹介するのは、青森県平川市に鎮座する「猿賀神社(さるかじんじゃ)」。
津軽地方の中でも特に信仰が深く、古代から“水とご縁”のある霊地として知られてきた神社です。境内の「猿賀公園」や蓮池の美しさでも有名で、観光と神社参拝を同時に楽しめる東北屈指のスポットです。
■猿賀神社の歴史
創建は弘仁8年(817年)、平城天皇の勅願によるものと伝えられています。
平安時代にまで遡る非常に古い歴史を持つ神社で、津軽地方の信仰史を語る上でも欠かすことのできない存在です。
特に水の霊威が篤く信じられてきた場所で、古くから“治水”“祈雨”“五穀豊穣”を願う祈祷が行われ、人々の生活に深く寄り添ってきました。
■御祭神
- 上毛野君田道命(かみつけののきみたみちのみこと)
この神は東北地方の蝦夷征討に功績があったと伝わる人物であり、後に神格化されたと考えられる神です。
武勇・開拓・導きの神として崇敬されるほか、国家安泰・産業発展・勝利祈願のご利益が信仰されています。
■見どころと魅力
●鏡ヶ池と蓮の名所
境内には「鏡ヶ池」と「見晴ヶ池」という二つの池があります。特に夏に咲く蓮は圧巻で、津軽の夏の風物詩として多くの人が写真を撮りに訪れます。
この池は神域としての水の象徴であり、古代からの信仰の名残を今に伝えています。
●随神門の風格
重厚な随神門は境内の中でも特に存在感があり、長い歴史を感じさせる見事な景観です。神社建築と池の水面、緑が織りなす静謐な風景は、東北らしい落ち着きと力強さがあります。
●猿賀公園としての癒し
春は桜、夏は蓮、秋は紅葉と、四季を通して表情を変える公園は地元民にも愛される憩いの空間。神社を中心に形成された“文化景観”としても興味深いスポットです。
■例祭と行事
例大祭は9月。
津軽地方の秋の訪れとともに執り行われる伝統祭で、地域に根付いた信仰文化が色濃く感じられます。
■アクセス
- JR弘前駅から車で約20分
- 近くには「道の駅いかりがせき」や「温泉施設」も多く、観光ルートを組みやすい立地
青森観光と合わせて、津軽の歴史や文化を深く味わう旅に最適です。
■まとめ
猿賀神社は、津軽の歴史そのものが凝縮されたような神社です。
水の霊威を象徴する池、平安期から続く祈り、そして四季を彩る景観。参拝すれば、津軽の大地が長い年月をかけて育んできた「静かな強さ」を感じられるはず。
青森へ行かれる際には、ぜひこの地に足を運んでみてください。
神社と自然が一体となった、深い安らぎを得られる場所です。


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