みなさんの家にはしめ縄がありますか?
お正月にはスーパーなどで販売されているしめ縄。
よくよく考えると、なんの意味で飾っているのでしょうか?
日本の神道文化を象徴する「しめ縄(注連縄・標縄)」。
お正月や祭礼、神棚などでよく目にする神具ですが、
実はその意味や飾る時期、種類には深い由来があります。
この記事では、しめ縄の起源・意味・種類・正しい飾り方・避けるべき点までを総合的にまとめて解説します。
■ しめ縄とは
しめ縄は、神様の領域(聖なる空間)と俗世を分ける結界を表す神具です。
「清浄な場所である」ことを示し、邪気を祓う役割を持ちます。
読み方は
- しめなわ(注連縄・標縄)
- 古くは「しめ(占め)」=支配・区切るの意
藁(わら)で作られ、神社の鳥居や拝殿、家庭の神棚にも掛けられます。
■ しめ縄の起源
しめ縄のルーツは、日本神話の「天岩戸(あまのいわと)」の物語とされています。
● 神話のエピソード
天照大御神が岩戸に隠れ、世界が暗闇に包まれた際、
岩戸が開かれた後、再び天照大神が隠れないように岩戸の前に縄を張りました。
これが「しめ縄」のはじまりとされています。
「神様を迎える準備」「神様に帰っていただかない」という意味が込められています。
■ しめ縄の意味(3つの象徴)
① 結界
神様が宿る“聖域”を示し、人間界との境界とする。
② 邪気払い
悪いもの・不浄なものが入らないように守る。
③ 神様をお迎えする印
とくにお正月は、歳神様を迎える清浄な場所としての印になる。
■ 種類と特徴
● ① 大根型(ごぼう締め)
最も一般的な形。
太い中心部と細い端が特徴で、家庭の玄関や神棚にもよく使われます。
● ② 横綱型
神社の鳥居などで見る太いしめ縄。
出雲大社の「〆の子」など迫力のある形。
● ③ 輪飾り
お正月に玄関や車に飾る小さめのしめ縄。
飾りが華やかで、家庭向け。
● ④ 七五三縄(ななごさんなわ)
太・中・細の三本の縄で編まれたもの。神社の祭場などで使用。
■ しめ縄の飾る場所
神社
- 鳥居
- 拝殿
- 神木
- 神事の祭場
家庭
- 玄関
- 神棚
- 台所の荒神様
- 車(正月飾りとして)
目的:清浄な空間と年神様を迎える準備を示す。
■ 飾る時期(いつからいつまで?)
● 飾り始め:12月13日以降
正月準備が始まる「事始め」とされる日。
特に、
- 末広がりの「28日」:縁起が良い
- 「30日」:問題なし
が最も多いです。
【避けるべき日】
- 29日:苦につながる
- 31日:一夜飾りで「神様に失礼」
● 取り外す時期:1月7日(松の内まで)
地域によっては
- 関西:15日
まで飾ることもあります。
■ 正しい飾り方(基本ポイント)
▼ 1. 清浄な場所で扱う
飾る前に掃除をして、清めておくとよい。
▼ 2. 向き
太い部分が左側になるように飾るのが一般的。
(地域によって逆もあるため、神社の形式に合わせてもOK)
▼ 3. しめ飾りの位置
玄関の中央、または少し上に飾る。
神棚の場合は上部中央。
▼ 4. 飾りの意味を尊重
- ウラジロ → 裏表なく正直に生きる
- 昆布 → 喜ぶ
- ゆずり葉 → 家の繁栄
- 橙 → 家系の繁栄
- 四手(紙垂) → 神域の印
意味を理解しながら飾ると、より丁寧。
■ 外したしめ縄の処分方法
● 神社の「どんど焼き」「左義長」でお焚き上げ
最も丁寧で一般的な方法です。
● 難しい場合
- 半紙で包む
- 塩で清める
- 可燃ごみとして出す
※ 気になる場合は神社に相談を。
■ 間違えやすいポイント・注意点
× 夕方に飾る
しめ縄は“神様を迎える準備”なので、できるだけ日中に。
× 外したものを長期保管
年神様を迎える意味から、毎年新調するのが基本。
× 31日の一夜飾り
急ぎであっても避けた方がよい。
■ まとめ:しめ縄は「神様を迎えるための清浄な結界」
しめ縄は単なる飾りではなく、
神様を迎えるための清らかな結界としての深い意味があります。
・聖域の境界
・邪気払い
・年神様を迎える準備
・古代から続く神話の伝統
これらを理解した上で飾ると、
年神様を迎える準備がより丁寧に整い、神社参拝の心構えにもつながります。

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