基本情報
- 名称(正式):宇良神社(うらじんじゃ)
- 通称:浦嶋神社(うらしまじんじゃ)
- 所在地:京都府与謝郡伊根町字本庄浜191
- ご祭神:浦嶋子(うらしまこ)
- 相殿(配祀)神:月読命(つくよみのみこと)、祓戸大神(はらえどのおおかみ)
- 創建:天長2年(825年)7月22日/淳和天皇の勅命によると伝わる
- 社格:式内社(延喜式神名帳所載)、旧郷社
- 文化財:重要文化財(絵画・工芸品)、登録有形文化財(建造物)
由緒・歴史――古代から信仰を集める名社
宇良神社は、 平安時代の天長2年(825)に 浦嶋子(うらしまこ)を「筒川大明神」として祀る ことが始まりと伝わる古社です。これは 淳和天皇(じゅんなてんのう) の勅命によるもので、当時は官使として 小野篁(おののたかむら) が派遣されたとも言われます。
古代の記録である『延喜式神名帳』にも「宇良神社(うらのかむやしろ)」として登載されており、古くから地域の信仰を集めてきました。
また、宇良神社の祭神 浦嶋子 は、後世「浦島太郎」として知られる伝説の主人公そのものとされ、 丹後国風土記 に伝わる物語の中心人物です。
📖 浦島伝説――日本最古の説話の舞台
宇良神社が全国的に有名な理由は、「浦島太郎」の原初的な伝承がここにあるからです。
ここ宇良神社にのこる浦島伝説は『播磨の風土記』に次のように伝えられています
- 浦嶋子(浦島太郎のモデル) は釣りをしていると亀を助ける。
- 亀は海の乙女に変身し、浦嶋子はその美女と結ばれて海中の世界へ渡る。
- 永い時を経て人間界へ戻ると、長い年月が過ぎてしまっていた。
- 彼に渡された玉手箱(たまてばこ)を開けた瞬間、時が一気に流れ、生まれ故郷にも戻れなくなる――といった物語です。
実は浦島伝説はご紹介した播磨の風土記の他に『日本書紀』や『万葉集』にも類似する記述があり、 丹後半島は浦島伝説発祥の地とされる ほど古い歴史を持っています。
浦島伝説が書かれた書物について、
①丹後風土記
②日本書紀
③万葉集
の原文を紹介しています。
興味があればそちらの記事もごらんください
🛕 主祭神・神々と信仰
宇良神社の 主祭神は浦嶋子(浦島太郎) で、単なる昔話のキャラクターとしてではなく、地域の守護神として祀られています。
加えて、以下の神々も相殿神として祀られており、その信仰の広がりを示しています:
- 月読命(つくよみのみこと) — 夜や月を司る神。
- 祓戸大神(はらえどのおおかみ) — 身心の穢れ(けがれ)を祓う神々。
この構成により、 長寿・縁結び・航海安全・罪穢れ除去 などの御利益を願う参拝者が多く訪れます。
📜 社宝・文化財――神話を今に伝える宝物
宇良神社には多数の 重要文化財 が残され、神社の歴史と伝説を今に伝えています。
🎨 紙本著色 浦島明神縁起(重要文化財)
- 内容:室町時代前半頃に描かれた絵巻。浦嶋子(浦島太郎)の物語と、神社の創建・祭礼の場面が絵で描かれている。
- 意義:後世のお伽草子になる前の、古い説話の形そのままの姿をとどめる貴重な資料。
👘 刺繍桐桜土筆文肩裾小袖(重要文化財)
- 平安〜桃山時代頃とされる 神服(しんぷく)(神に捧げられた衣装)。
- 桐・桜・土筆などが京繍(きょうぬい)で描かれ、技術的にも高い価値をもつ。
🏛️ 登録有形文化財(建造物)
境内の社殿群も近代の価値ある建築として 国の登録有形文化財 に指定されています:
- 本殿(1884年建立) — 丹後地方に特徴的な神明造形式。
- 拝殿及び中殿(1884〜1946改修) — 彫刻装飾が施された優れた社殿。
📍 境内のみどころ
宇良神社を訪れる際の見どころを紹介します:
🐢 浦島伝説ゆかりの石碑・庭園
- 蓬山の庭:『丹後国風土記』の伝承を表現した庭園。
- 石碑「宇良神社」 や 浦嶋碑 など、歴史を伝える石刻類。
🧭 浦島伝説の「龍穴(洞窟)」伝承
境内周辺には「浦嶋子が帰還した」とされる洞窟跡などの言い伝えが残り、伝説の世界を感じさせます。
⛩️ 参拝と御利益
- 縁結び、長寿祈願、航海安全など、多様な願いを込めて参拝可能。
🧠 伝説と歴史――日本文化に与えた影響
宇良神社の浦嶋伝説は、日本各地に伝わる浦島太郎話の「原型」とされ、文学・絵画・民話研究においても重要視されています。古代から伝わる物語の舞台として、神話と人々の信仰が重層的に重なった神社なのです。
✨ まとめ:宇良神社は「時を超える伝説」の地
宇良神社は、単なる昔話の舞台を超え、日本最古級の浦島伝承を今に伝える 歴史的・文化的価値の高い神社 です。祭神や宝物、社殿建築のすべてが古代から中世・近世に至る日本人の物語観や信仰を映し出しています。
訪れることで、浦島伝説の本当の背景や、古代の人々が時の流れと運命をどう考えたのかを感じることができるでしょう。

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