神 様 図 鑑
しらひのかみ 白日神
大年神の御子神・記紀に「白日神」の名で天照大神を指す用例も残る太陽神 / 活躍の記録を持たない静かな神
① 名前と出典
| 正式名称 | 白日神(しらひのかみ)古事記・上巻 |
|---|---|
| 名前の意味 | 「白日(しらひ)」——文字通り「明るい太陽・白く輝く日」を意味する語。日本書紀には天照大神を指して「白日神」と表現する場面があり、当時の人々にとって「白日」は特定の一柱の固有名というより、太陽そのものを指す漠然とした呼び方だったと考えられている。 |
| 初出文献 |
古事記(712年)上巻・大年神の系譜の段 大年神が伊怒比売を娶って生んだ五柱の神(大国御魂神・韓神・曽富理神・白日神・聖神)のうち、四番目に記される。古事記 |
| 神様の種類 |
国津神——大年神の御子神で、名前の意味から太陽神の性格を持つとされる神 兄弟である曽富理神・韓神とともに、渡来系氏族との関わりが指摘されることもあるが、白日神自身については神話上の活動が一切記されていない。 |
② 活躍した時代
白日神が登場するのは、古事記上巻で大年神の系譜がまとめて語られる場面のみ。兄弟神である大国御魂神・韓神・曽富理神・聖神と共に名を連ねるが、個別の活躍譚は伝わっていない。
祀られる神社
登場する神話・伝説
大年神の系譜——五柱兄弟神の中の一柱
古事記上巻の大年神系譜において、白日神は大国御魂神・韓神・曽富理神に続く四番目の子として、聖神とともに名を連ねる。この五柱はいずれも伊怒比売(神活須毘神の娘)を母とする同母の兄弟神であり、系譜の記述以外に個別の物語を持たない点で共通している。
天照大神の異称としての「白日神」
日本書紀には、皇祖神・天照大神を指して「白日神」と呼ぶ場面がある。これは天照大神固有の別名というよりも、「白日」という言葉が当時「明るい太陽」を意味する一般的な表現として用いられ、太陽神を指すのに使われたことを示す例とされる。大年神の子・白日神とこの用例が直接同一の神を指すわけではないが、同じ言葉が神の名として複数の文脈で使われている点は興味深い。
逸話・エピソード
白日神という名前をめぐる大きな謎は、それが特定の神を指す固有名なのか、それとも「明るい太陽」を意味する普通名詞的な表現が、たまたま系譜の中で神名として使われたのかという点にある。日本書紀で天照大神が「白日神」と呼ばれる例があることから、後者の可能性、つまり古代の人々が太陽の輝きそのものを漠然と神格化して名付けたのではないかとする見方が有力視されている。
同母兄の韓神・曽富理神には渡来系氏族との関わりを指摘する説があるのに対し、白日神の名前は素直に読めば「太陽」を意味し、渡来色よりも自然神としての性格が強く見える。同じ母を持つ兄弟でありながら、名前が示唆する神格の方向性が異なる点は、大年神系譜の五柱の神々が、単一の由来ではなく複数の信仰の系統を寄せ集めた系譜である可能性を示しているのかもしれない。
白日神には、活躍を語る神話も、後世の祭祀の記録もほとんど残っていない。しかし系譜という形で名前だけは古事記にはっきりと書き留められている。これは、当時の人々にとって「名を記す」こと自体に意味があった——たとえ物語を持たなくとも、系譜に名を連ねることで神としての存在を後世に伝えようとした——古代の記録文化のあり方を考えさせる一例である。
ご利益
「白日=明るい太陽」という名前の意味から、開運・光明・厄除けといったご利益が結びつけられています。

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