【神様図鑑】真敷刀俾命（ましきとべのみこと）

歴史の表舞台には登場しないけれど、
神話や神社の信仰において重要な役割を担った女性神がいます。

今回ご紹介する「真敷刀俾命（ましきとべのみこと）」は、神に仕える女性としての純粋な役割を象徴する、古代神職の元祖ともいえる神様です。

◆ 真敷刀俾命とは？

「真敷刀俾命（ましきとべのみこと）」という神名には、**「神前にまっすぐに仕える女性」**という意味が込められています。

すなわち、「真敷刀俾命」とは、神に仕える巫女の原型ともいえる存在なのです。

真敷刀俾命は、日本武尊や熱田神宮と関わりが深い尾張氏の姫神の一柱とされることがあります。

また、伊勢神宮の斎宮制度と類似するような「神に仕える女性の神格化」と見る説もあり、
女性神職の始祖、あるいは神事に真心をもって仕える者の理想像として信仰されています。

熱田神宮では、以下のような位置づけで真敷刀俾命が登場します。

大宮司家に連なる巫女や祭祀女性の象徴として、大切にされてきました。

現代では神職に就く女性も増えていますが、
真敷刀俾命のように「神に仕える精神性」を象徴する神様は、
性別を問わずすべての神社関係者・信仰者にとって学ぶべき存在と言えるでしょう。

また、「自分の役割にまっすぐ仕える」姿勢は、現代の生活にも通じる誠実さ・敬虔さの象徴です。

神と人の間に立ち、祈りを捧げ、祭りを導いてきた存在――
それが真敷刀俾命という神の本質です。

神社参拝や神道に関心がある方にとって、
この神の姿は「心をまっすぐに整える」ヒントになるかもしれません。