【神社めぐり】平安神宮 〜千年の都を今に伝える朱の大社〜

◆はじめに

京都の街を象徴する朱色の大鳥居。
その先に堂々と構えるのが「平安神宮(へいあんじんぐう)」です。
明治時代、かつての都・平安京の栄華を偲び、京都の新たな象徴として創建されたこの神社は、今では京都の観光・文化・信仰の中心地となっています。


◆創建の歴史

平安神宮は、明治28年(1895年)に創建されました。
平安遷都1100年を記念して、京都の繁栄を祈り、初代天皇である桓武天皇
をお祀りしたのが始まりです。
その後、昭和15年(1940年)には、平安京最後の天皇である孝明天皇も合祀されました。

創建の背景には、明治維新によって首都が東京へ移り、衰退していく京都を再び盛り上げようという市民の熱い想いがありました。
つまり、平安神宮は「京都再興の象徴」として建立されたのです。


◆御祭神

  • 桓武天皇(かんむてんのう)
     平安京を開いた天皇。都の繁栄と国家の安定を祈る神として信仰されています。
  • 孝明天皇(こうめいてんのう)
     幕末の動乱期に国の安泰を願った天皇。日本の伝統を重んじた御心で知られます。

この二柱の天皇をお祀りすることで、古代と近代を結ぶ神社としての意味を持ちます。


◆見どころ

◯ 大極殿と応天門

境内に入るとまず目に飛び込むのが、鮮やかな朱塗りの「応天門」。
その奥には、平安京の正庁・大内裏を約8分の5のスケールで再現した「大極殿(だいごくでん)」が鎮座しています。
左右対称の美しい配置と朱の柱が、まるで平安の世にタイムスリップしたような錯覚を覚えさせます。

◯ 神苑(しんえん)

広大な池泉回遊式庭園「神苑」は、平安神宮のもうひとつの見どころ。
約1万坪の庭には四つの池があり、四季折々の花が彩ります。
特に春には紅しだれ桜が見事で、京都屈指の花見名所として知られています。

◯ 大鳥居

神宮道にそびえる「大鳥居」は、高さ24.4m。昭和4年に建てられたもので、京都のランドマーク的存在。
朱色の姿は遠くからでも目立ち、観光客にも人気の撮影スポットです。


◆ご利益

  • 開運招福
  • 厄除け
  • 国家安泰
  • 家内安全
  • 出世運上昇

特に、「都の守護神」として、人生の転機を迎える人の背中を押す神様として信仰されています。


◆祭事と行事

◯ 時代祭(じだいまつり)

毎年10月22日に行われる、京都三大祭の一つ。
平安遷都を祝うために創設された祭りで、明治維新から平安時代までの衣装をまとった行列が京都の街を練り歩きます。
その壮観な光景はまさに「千年の都のタイムトラベル」です。


◆アクセス

  • 所在地:京都府京都市左京区岡崎西天王町97
  • アクセス:地下鉄東西線「東山駅」より徒歩約10分
          市バス「岡崎公園 美術館・平安神宮前」下車すぐ

◆おわりに

平安神宮は、古の都の魂と明治の息吹が共存する場所。
その美しい朱色の社殿と静寂な庭園は、訪れる人々に「日本の心」を思い出させてくれます。

京都観光の締めくくりに、ぜひ平安神宮で“千年の祈り”を感じてみてください。

コメント

タイトルとURLをコピーしました