東京都青梅市の御岳山(みたけさん)の山頂に鎮座する武蔵御嶽神社(むさしみたけじんじゃ)。
都心から日帰りで行けるとは思えないほど神聖な雰囲気に満ち、古代から“関東の霊山”として信仰されてきました。
オオカミ(大口真神 / おおくちまがみ)信仰、修験道の歴史、御嶽講の登拝文化など、見どころと物語が大変多い神社です。
この記事では
武蔵御嶽神社の由緒・ご利益・歴史・見どころ・登山ルート・アクセス
をわかりやすく徹底解説します。
■ 武蔵御嶽神社とは
◎ 多摩地域最古級、2000年以上の歴史を持つ霊山の社
武蔵御嶽神社は、古くから**“御嶽(みたけ)の大神”**として信仰されてきた関東を代表する山岳寺社。
御祭神は以下の五柱です。
◆ 御祭神(主祭神)
- 櫛真智命(くしまちのみこと)
厄除け・悪霊退散の神。知恵の神としても信仰。
◆ 配祀神
- 大己貴命(おおなむちのみこと)=大国主命
- 少彦名命(すくなひこなのみこと)
- 応神天皇(おうじんてんのう)
- 安閑天皇(あんかんてんのう)
これらの神々は、武蔵・関東の平安や人々の生活を守る“国土の守護神”。
しかし武蔵御嶽神社で特に有名なのは、境内に祀られる大口真神(おおくちまがみ)=日本狼です。
■ オオカミ信仰(大口真神)
◎ 犬ではなく「オオカミ」の神
武蔵御嶽神社では、古来より日本狼を神格化した大口真神を祀っています。
- 盗難除け
- 魔除け
- 五穀豊穣
- 災難除け
- 憑きもの落とし
などのご利益があるとされ、江戸時代には“御嶽講”が爆発的に広まり、関東全域から参拝者が集まりました。
◎ 犬連れ参拝が有名
狼を祀る神社であることから、現在では
「愛犬と一緒に参拝できる神社」
としても知られています。
御札・お守りにも犬守があり、ペット祈願は非常に人気です。
■ 由緒・歴史
◎ 古代
御岳山には縄文時代の遺跡もあり、古代から霊山として崇められてきました。
◎ 奈良〜平安時代
修験道の山として栄え、山伏たちが修行した神仏習合の霊山に。
◎ 江戸時代
“御嶽講”と呼ばれる信仰集団が発展し、
多摩・武蔵野・関東一円に広まり、年間約10万人が登拝したと記録されています。
◎ 近代
明治の神仏分離を経て現在の武蔵御嶽神社となり、
奥多摩の山岳信仰の中心的存在となっています。
■ ご利益
武蔵御嶽神社はご利益の幅が非常に広い神社です。
◆ 主なご利益
- 厄除け
- 魔除け
- 盗難除け(大口真神)
- 家内安全
- 五穀豊穣
- 商売繁盛
- 開運招福
- 心願成就
- ペットの健康祈願
特に
**「魔除け・厄除け」「盗難除け」**の強さは関東随一と言われています。
■ 見どころ
◎ 1. 御本殿
徳川家の寄進で整備されたと伝わる立派な社殿。
彫刻や装飾も美しく、周囲の霊気と相まって圧倒されます。
◎ 2. 大口真神社(狼の神)
境内にある小社で、強力な魔除けの力が宿るとされるスポット。
御札も特に人気があります。
◎ 3. 神代欅(しんだいけやき)
樹齢数百年とも言われる巨木で、御岳山の神秘を象徴する存在。
◎ 4. 鎖場・岩場に点在する修験道遺跡
御岳山は山伏の修行の場で、岩戸・滝・鎖場など修験の跡が随所に残ります。
◎ 5. 長尾平(展望スポット)
神社から少し歩くと、多摩丘陵を一望できる絶景ポイントに到達します。
晴れた日は奥多摩の山々が美しい。
■ 登拝(参拝)ルート
◎ ◎ 初心者でも安心ルート(ケーブルカー利用)
- 御岳登山鉄道(ケーブルカー)で「滝本駅→御岳山駅」
- 山上の参道を徒歩約25~30分
- 武蔵御嶽神社に到着
神社への道はよく整備され、初心者でも安心して歩けます。
◎ 登山を楽しむルート
・ロックガーデン(苔むす渓谷)
・七代の滝
など、自然豊かな人気登山コースと組み合わせるのもおすすめ。
■ アクセス
◆ 所在地
東京都青梅市御岳山176
◆ 電車
JR青梅線「御嶽駅」下車
→ バス「ケーブル下」行き
→ 御岳登山鉄道(ケーブルカー)
◆ 車
麓の駐車場利用後、徒歩またはケーブルカーを利用。
※山上には車で行けません。
■ まとめ
武蔵御嶽神社は、東京とは思えないほど荘厳な空気を持つ“関東屈指の霊山の神社”。
- 山岳信仰の歴史
- 狼(大口真神)信仰
- 愛犬との参拝
- 霊気漂う絶景の山上
- 多彩なご利益
これらが一体となった、唯一無二の神社です。
都心から近いのに、本格的な“山の神域”を感じられる場所。
自然散策・山歩き・信仰史に興味がある方には特におすすめです。


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