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【神社めぐり】干支の十二支とゆかりの神社一覧

「大社(たいしゃ/おおやしろ)」という名前がつく神社は、日本全国でもわずか24社。出雲大社、伏見稲荷大社、春日大社……と、どれも一度は名前を聞いたことのある神社ばかりです。

ところが意外なことに、この24社のうち戦前から「大社」を名乗っていたのは出雲大社だけ。ほかの23社は、もともと「〇〇神社」という名前でした。では、いつ、なぜ「大社」になったのでしょうか。

この記事では、

  • 3つの意味をもつ「大社」という言葉の整理
  • 全国の大社24社の一覧(旧社名・旧社格・祭神つき)
  • テーマ別の大社めぐりのコース

を詳しく解説します。


1.「大社」には3つの意味がある

「大社」という言葉は、時代によって指すものがちがいます。ここを整理しておくと、神社めぐりがぐっとわかりやすくなります。

意味時代内容
① 延喜式の「大社」平安時代927年にまとめられた『延喜式』神名帳で、国が大切にする神社を「大社」と「小社」に分けた。大社は492座(神様の数で数える)
② 近代社格の「大社」明治〜戦前国が神社に格付けをした制度で、官幣大社・国幣大社が最上位。名前に「大社」がなくても、八坂神社や北野天満宮などもここに入る
③ 社号の「大社」戦後〜現在神社の名前として「〇〇大社」を名乗る神社。この記事で紹介する24社

■ もとは出雲大社だけの呼び名だった

古くは「大社(おおやしろ)」といえば、ふつう出雲大社のことを指しました。出雲大社自身も、奈良・平安の昔から「大社」と書かれてきたのは出雲大社ただ一社だった、と伝えています。明治の社格制度でも、出雲大社は「官幣大社 出雲大社」で、社号と社格の両方に「大社」がつく唯一の神社でした。

■ 官幣大社と国幣大社のちがい

明治時代に整えられた近代社格制度では、国が祭りのお供え(幣帛=へいはく)を出す神社を「官国幣社」とし、その中を次のように分けました。

  • 官幣社:皇室(宮内省)からお供えを受ける神社。皇室とゆかりの深い神社や、畿内の有力な神社が多い
  • 国幣社:国の予算(国庫)からお供えを受ける神社。各地の一之宮など、地方の有力な神社が多い

それぞれが「大社・中社・小社」に分かれ、官幣大社がもっとも高い格式とされました。

■ 戦後、「〇〇神社」から「〇〇大社」へ

戦後、国による社格制度がなくなると、旧官幣大社・旧国幣大社だった神社を中心に、名前を「〇〇大社」に改める神社があらわれました。「稲荷神社」が「伏見稲荷大社」に、「春日神社」が「春日大社」に、というぐあいです。かつての格式を、名前で伝えようとしたわけです。

ただし、旧官幣大社でも「大社」を名乗らない神社はたくさんあります(八坂神社、石清水八幡宮、香取神宮など)。逆に、24社の中には旧官幣中社だった梅宮大社と熊野那智大社もふくまれています。「大社」の名前と、昔の格付けは、必ずしも一致しないのです。


2.全国の大社 24社 一覧表

現在「大社」を社号とする24社を、地域ごとに並べました。「旧社名」は戦前の名前、「旧社格」は戦前の格付けです。

全国大社一覧(24社)

No神社名所在地旧社名/旧社格主祭神・見どころ
1出雲大社島根県出雲市出雲大社/官幣大社大国主大神。縁結びの神として名高い、出雲国一之宮
2熊野大社島根県松江市熊野神社/国幣大社素戔嗚尊(櫛御気野命)。出雲国一之宮で、出雲大社の神事に使う火をおこす「鑽火祭(さんかさい)」で知られる
3三嶋大社静岡県三島市三嶋神社/官幣大社大山祇命・事代主神。伊豆国一之宮。源頼朝が源氏再興を祈ったことで知られる
4富士山本宮浅間大社静岡県富士宮市浅間神社/官幣大社木花之佐久夜毘売命。全国の浅間神社の総本宮で、駿河国一之宮。富士山の8合目より上は境内地
5諏訪大社長野県諏訪市ほか諏訪神社/官幣大社建御名方神・八坂刀売神。上社(本宮・前宮)と下社(春宮・秋宮)の4つのお宮からなる信濃国一之宮。寅年と申年の御柱祭が有名
6気多大社石川県羽咋市気多神社/国幣大社大己貴命(大国主神)。能登国一之宮で、縁結びの神社として人気。社殿の背後に、人が入らない「入らずの森」が広がる
7南宮大社岐阜県垂井町南宮神社/国幣大社金山彦命。美濃国一之宮で、全国の鉱山・金属業の総本宮
8多度大社三重県桑名市多度神社/国幣大社天津彦根命。「お伊勢参らばお多度もかけよ」とうたわれた北伊勢の大社。馬が急な坂をかけ上がる「上げ馬神事」で知られる
9多賀大社滋賀県多賀町多賀神社/官幣大社伊邪那岐命・伊邪那美命。延命長寿の神。「お伊勢参らばお多賀へ参れ、お伊勢お多賀の子でござる」とうたわれた
10建部大社滋賀県大津市建部神社/官幣大社日本武尊。近江国一之宮。伊豆へ流される途中の源頼朝が立ち寄ったと伝わり、出世開運の神としても信仰される
11日吉大社滋賀県大津市日吉神社/官幣大社大山咋神・大己貴神。全国の日吉・日枝・山王神社の総本宮。比叡山延暦寺の守り神で、神の使いの猿は「神猿(まさる)」と呼ばれる
12春日大社奈良県奈良市春日神社/官幣大社武甕槌命・経津主命・天児屋根命・比売神。藤原氏の氏神で、全国の春日神社の総本社。世界遺産「古都奈良の文化財」の一つ
13龍田大社奈良県三郷町龍田神社/官幣大社天御柱命・国御柱命。風の神で、風害をしずめ五穀豊穣を祈る
14廣瀬大社奈良県河合町廣瀬神社/官幣大社若宇加能売命。水と食べ物の神。2月の「砂かけ祭」が有名
15伏見稲荷大社京都府京都市稲荷神社/官幣大社宇迦之御魂大神ほか。全国の稲荷神社の総本宮。和銅4年(711年)に稲荷山に神が鎮まったと伝わる。千本鳥居で有名
16松尾大社京都府京都市松尾神社/官幣大社大山咋神・中津島姫命。渡来系の秦氏がまつった古社で、酒造りの神として全国の酒蔵から信仰される
17梅宮大社京都府京都市梅宮神社/官幣中社酒解神(大山祇神)ほか。橘氏の氏神。酒造り・子授け・安産の神で、「またげ石」が知られる
18住吉大社大阪府大阪市住吉神社/官幣大社住吉三神・神功皇后。全国の住吉神社の総本社で、摂津国一之宮。海の神・航海安全の神。本殿は「住吉造」で国宝
19大鳥大社大阪府堺市大鳥神社/官幣大社日本武尊・大鳥連祖神。和泉国一之宮。白鳥になった日本武尊が最後にとどまった地と伝わる
20熊野本宮大社和歌山県田辺市熊野坐神社/官幣大社家都美御子大神。熊野三山の中心で、世界遺産。明治22年(1889年)の大水害のあと、川の中州「大斎原(おおゆのはら)」から今の場所へ移った
21熊野速玉大社和歌山県新宮市熊野速玉神社/官幣大社熊野速玉大神・熊野夫須美大神。熊野三山の一つで、世界遺産
22熊野那智大社和歌山県那智勝浦町熊野那智神社/官幣中社熊野夫須美大神。熊野三山の一つで、世界遺産。那智の滝への信仰から始まったと伝わる
23宗像大社福岡県宗像市宗像神社/官幣大社宗像三女神。辺津宮・中津宮(大島)・沖津宮(沖ノ島)の3つのお宮からなる。世界遺産「『神宿る島』宗像・沖ノ島と関連遺産群」
24高良大社福岡県久留米市高良神社/国幣大社高良玉垂命。筑後国一之宮。高良山の中腹にあり、筑後平野を見わたせる

※旧社格の内訳は、官幣大社17社・国幣大社5社・官幣中社2社です。

■ 「大社」と呼ばれることがある神社

正式な社号は「神社」のままでも、「大社」の表記が使われることがある神社もあります。

  • 氷川神社(埼玉県さいたま市):授与品の袋に「氷川大社」の表記
  • 平野神社(京都府京都市):かつて鳥居の扁額に「平野大社」の表記
  • 枚岡神社(大阪府東大阪市):社名を刻んだ石に「大社」の表記
  • 往馬坐伊古麻都比古神社(奈良県生駒市):一般に「往馬大社(いこまたいしゃ)」と呼ばれる

3.テーマで選ぶ大社めぐり

24社を一覧で見ると、いくつかの「つながり」が見えてきます。テーマを決めてめぐると、ただの参拝が物語のある旅になります。

■ ① 出雲の2つの大社(島根)

出雲国一之宮は、出雲大社と熊野大社の2社とされます。出雲大社の古伝新嘗祭(こでんしんじょうさい)などで使う神聖な火をおこす道具は、毎年10月に熊野大社で行われる鑽火祭で受けわたされます。この儀式では、出雲大社側が持参した餅の出来ばえに熊野大社側が文句をつける「亀太夫神事」という、ちょっとユーモラスなやりとりも行われます。

■ ② 熊野三山(和歌山)

熊野本宮大社・熊野速玉大社・熊野那智大社の3社は「熊野三山」と呼ばれ、2004年に世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」に登録されました。平安時代には上皇や貴族が何度も参詣し、「蟻の熊野詣」と言われるほど多くの人が熊野古道を歩きました。

■ ③ 奈良の風と水の大社

龍田大社と廣瀬大社は、『日本書紀』によれば天武天皇4年(675年)に、天武天皇が風の神を龍田に、水の神(大忌神)を広瀬にまつったのが始まりとされます。2社は大和川をはさんで近く、セットで国家の祭りが行われてきました。

■ ④ 酒の神をめぐる(京都)

京都の松尾大社と梅宮大社は、どちらも酒造りの神。松尾大社は全国の酒造業者があつく信仰する「日本第一酒造神」、梅宮大社は酒解神をまつります。どちらも京都市の西部にあり、1日でまわることができます。

■ ⑤ 滋賀の3つの大社

滋賀県には多賀大社・建部大社・日吉大社と、3つの大社があります。延命長寿の多賀、出世開運の建部、比叡山のふもとの日吉と、それぞれに個性があります。


4.まとめ

「大社」は、平安時代の延喜式、明治の社格制度、そして戦後の社号と、時代ごとに意味を変えてきた言葉です。今「大社」を名乗る24社は、戦前まで国の最上位クラスの格付けを受けていた神社が中心で、その歴史を名前に残しています。

「神宮」との違いも気になった方は、全国の神宮25社を紹介した記事もあわせてご覧ください。

24社すべてを巡ることは、日本という国の歴史・自然・人々の祈りの構造を理解する贅沢な旅でもあります。ぜひ一社ずつ、祭神や伝承、歴史背景を学びながら巡ってみてください。

※旧社名・旧社格はWikipedia「大社」の一覧をもとにしています。祭事の日程や参拝時間は変わることがあるため、お出かけ前に各神社の公式HPを確認ください

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