【神社めぐり】近江国一之宮 日本武尊を祀る「建部大社」

■ 建部大社とは

滋賀県大津市に鎮座する**建部大社(たけべたいしゃ)**は、近江国の一之宮として古くから崇敬を集めてきた名社です。
創建は古事記・日本書紀の時代にまで遡ると伝えられ、古くから「近江大社」「建部明神」と称されてきました。

御祭神は、武勇の神として知られる日本武尊(やまとたけるのみこと)
その英霊を祀ることから、武運長久・出世開運・交通安全などの御利益で広く知られています。


■ 御祭神

主祭神:

  • 日本武尊(やまとたけるのみこと)
    第12代景行天皇の皇子であり、東征・西征を行った伝説的な英雄神。

相殿神:

  • 大己貴命(おおなむちのみこと)(大国主命)
     国造りの神であり、縁結びの神としても親しまれています。

この二柱の神が祀られていることから、勝運・開運・良縁・国家安泰といった幅広い御神徳を授かるとされています。


■ 歴史と由緒

建部大社の創建は、古代に日本武尊が東征の帰途、伊吹山の神との戦いで傷を負い、この地で崩御したことに由来します。
その後、尊の御霊を祀るために社殿が建てられたのが始まりと伝えられています。

平安時代には「延喜式神名帳」に名を連ねる名神大社として記録され、朝廷や武将からの崇敬を集めました。
特に源頼朝が平治の乱で敗れて伊豆へ流される際、この神社で戦勝祈願を行い、のちに幕府を開いたことから、
「出世開運の神」としての信仰が全国へ広まりました。


■ 社殿と境内の見どころ

現在の社殿は、江戸時代初期に再建されたもの。
本殿は檜皮葺きの流造で、落ち着いた木の色が美しく、威厳と気品を兼ね備えています。

境内には次のような見どころがあります:

  • 頼朝公手植の松跡
    出世祈願をした源頼朝が手ずから松を植えたと伝わる地。現在は碑が残されています。
  • 出世稲荷社
    仕事運・昇進運を高める神として参拝者に人気。
  • 神馬像(しんめぞう)
    日本武尊が白馬に乗り東征した伝説にちなみ、神馬の像が奉納されています。

また、毎年1月には「建部大社初詣祭」が行われ、多くの人々で賑わいます。
正月三が日には近江地方随一の初詣客を誇ることでも知られています。


■ 御利益と信仰

建部大社は「出世開運の神社」として知られますが、その御利益は多岐にわたります。

  • 武運・勝負運
  • 出世・昇進
  • 商売繁盛
  • 交通安全
  • 厄除け・開運

とくに、ビジネスマンや受験生など、「勝ちたい」気持ちを持つ人々の信仰を集めています。


■ アクセス

  • 所在地:滋賀県大津市神領1丁目16-1
  • アクセス:JR「石山駅」または京阪「石山寺駅」から徒歩約20分
  • 駐車場:あり(無料・大型可)

■ まとめ

建部大社は、
⚔️ 日本武尊の魂を祀る近江国一之宮であり、
🌸 出世と勝運を授ける神社として、今もなお多くの人々から篤く信仰されています。

その静謐な境内には、古代から現代まで受け継がれてきた「努力する者を見守る神」の気配が漂います。
仕事や学業、人生の転機を迎えるとき、ぜひ一度足を運んでみてください。

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