~開拓の守護神として札幌の発展を見守る、北の大社~
■ 北海道神宮とは
札幌市中央区円山(まるやま)の緑深い森の中に鎮座する**北海道神宮(ほっかいどうじんぐう)**は、
北海道開拓の守護神として知られる道内随一の格式を誇る神社です。
地元では「道民の心のふるさと」として親しまれ、初詣や桜の名所としても人気。
広大な円山公園に隣接し、春は桜と梅の共演、冬は雪景色が美しい、四季折々の風情に包まれた神社です。
■ 創建の由来と歴史
北海道神宮の創建は明治2年(1869年)。
明治新政府が「蝦夷地(えぞち)」を「北海道」と改称し、本格的に開拓を進める際、
その開拓・発展の守護神を祀る神社として設立されたのが始まりです。
当初は「札幌神社(さっぽろじんじゃ)」と称されていました。
創建にあたっては、明治天皇の勅命により、次の三柱の神々が**開拓三神(かいたくさんじん)**として祀られました。
■ 御祭神
● 大国魂神(おおくにたまのかみ)
国土の神。土地そのものを司る神で、日本の国土守護神。
● 大那牟遅神(おおなむちのかみ)
出雲大社の主神・大国主神と同一。開拓・国造り・医療の神。
● 少彦名神(すくなひこなのかみ)
大那牟遅神と共に国造りを行った知恵の神。健康や産業振興の守護神。
この三柱が北海道開拓の守護神とされ、当初は仮社殿にお祀りされました。
さらに、昭和39年(1964年)には、
北海道開拓を発案・推進した明治天皇が御祭神として合祀され、
現在の四柱の神々が祀られる形となりました。
■ 神社の歩み
- 明治2年(1869年):開拓三神を祀り、札幌神社として創建。
- 明治4年(1871年):現在の円山の地に鎮座。
- 昭和39年(1964年):明治天皇を合祀し、「北海道神宮」と改称。
- 昭和53年(1978年):不審火で本殿焼失、その後再建。
こうして、北海道神宮は道民の信仰を集め続け、現在では北海道全域の総鎮守として崇敬されています。
■ 境内の見どころ
● 本殿・拝殿
檜造りの荘厳な社殿は、明るく清浄な雰囲気を放ちます。
正面には広い参道が延び、初詣や結婚式、七五三など多くの参拝者で賑わいます。
● 桜と梅の名所
円山公園と一体となった境内は、春には約1,400本の桜と梅が咲き誇ります。
道民の花見スポットとしても定番で、参拝と花見を同時に楽しめる贅沢な季節。
● 境内社「開拓神社」
北海道神宮の境内には、開拓に尽くした37名の先人を祀る「開拓神社」があります。
その中には、屯田兵や政治家、探検家など、北海道の礎を築いた偉人たちが名を連ねます。
先人たちへの感謝と祈りを捧げる静かなスポットです。
● 神宮茶屋(六花亭 神宮茶屋店)
参拝の後に立ち寄りたいのが、境内の「六花亭 神宮茶屋店」。
ここでしか味わえない限定の「判官さま」という焼き餅が人気です。
焼きたての香ばしい香りとあんこの甘みが、冷えた体をほっと癒してくれます。
■ 御利益
北海道神宮は、開拓の象徴として多くの御神徳をもっています。
- 国家鎮護・国土安泰
- 開運招福
- 縁結び
- 健康祈願
- 事業繁栄
- 厄除け
- 五穀豊穣
特に、新しい挑戦や事業を始める人の守護神としての信仰が篤く、
「開拓」の名の通り、人生を切り拓く力を授けてくれるとされています。
■ 年間行事
- 1月1日 初詣:道内最大級の初詣スポット。約80万人が訪れる。
- 6月14~16日 札幌まつり(例祭):華やかな神輿行列や山車が札幌市内を練り歩く。
- 10月 秋季大祭:五穀豊穣と感謝の祭典。
特に「札幌まつり」は、明治時代から続く伝統行事で、市民にとって夏の風物詩です。
■ アクセス情報
- 所在地:北海道札幌市中央区宮ヶ丘474
- アクセス:
地下鉄東西線「円山公園駅」から徒歩約15分
JR札幌駅からバス「北海道神宮前」下車すぐ - 駐車場:あり(無料・約200台)
■ まとめ
北海道神宮は、単なる観光地ではなく、北海道そのものの歴史と信仰が凝縮された神社です。
開拓者たちの苦労と祈りを今に伝え、道民の生活を静かに見守り続けています。
広大な森に包まれた参道を歩くと、不思議と心が落ち着き、
「新たな一歩を踏み出す勇気」を授かるような気持ちになるでしょう。

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