みなさん、こんにちは!ももちです。
今回足を延ばしたのは、奈良盆地の北部に位置する「添御県坐神社(そうのにきたつにますじんじゃ)」。
「添(そう)」とは、かつての大和国添上郡・添下郡(現在の奈良市・大和郡山周辺)を指す古代の地域名。皇室に献上する野菜などを栽培していた朝廷直轄地「大和六県(やまとのむつあがた)」の一つとして祀られた、非常に歴史の深い式内社です。
静かな佇まいのなかに古代の面影を残す、知る人ぞ知る名社をご紹介します!
添御県坐神社とは?(歴史と由緒)
添御県坐神社は、平安時代の『延喜式神名帳』にも名を連ねる式内社(小社)です。
古代の大和国には、朝廷の御食つ物(御用達の食材)を納める直轄地として「大和六県(高市・葛木・十市・志貴・山辺・添)」が設けられていました。それぞれの地に守護神として建てられた神社が「県神社(あがたじんじゃ)」であり、添御県坐神社はそのうちの「添県」を祀る神社です。
奈良市内には「添御県坐神社」と称する神社が主に2箇所(矢田原町・歌姫町)存在しますが、いずれも古代の添県の祈りを今に継承しています。
主なご祭神
神社によって祭神の構成に若干の違いがありますが、主に朝廷の食材や土地の恵みを守る神々がお祀りされています。
- 武乳速之命(たけちはやのみこと):添県主(そいのあがたぬし)の祖神とされる神様。
- 津速魂命(つはやむすびのみこと):万物の生成・発展を司る神様。
- 櫛玉命(くしたまのみこと):物部氏の祖とされる饒速日命(にぎはやひのみこと)の別名ともいわれる神様。
国家の平安と農作物の豊穣を祈るための神社として、古くから手厚く保護されてきました。
境内の見どころと参拝ポイント
1. 室町時代の面影を残す「本殿」(重要文化財)
矢田原町に鎮座する添御県坐神社の本殿は、室町時代(南北朝〜室町初期)の建築として国の重要文化財に指定されています。
三間社流造(さんけんしゃながれづくり)の美しく格調高い木造建築で、細部の意匠にも古代〜中世の建築美が凝縮されています。
2. 豊かな鎮守の森と静けさ
住宅街や田園風景に隣接しながらも、境内に足を踏み入れると大きな木々に囲まれた静寂の空間が広がります。
観光地化された大社とは異なり、かつて地域の人々や朝廷が静かに祈りを捧げていた雰囲気がそのまま残っているのが魅力です。
ポイント:
奈良の古代史(県主制度や物部氏・出雲系の伝承)に興味がある方にとっては、当時の地理感覚や信仰の広がりを肌で感じられる貴重なスポットです。
添御県坐神社(矢田原町) 基本情報&アクセス
| 項目 | 情報 |
| 神社名 | 添御県坐神社(そうのにきたつにますじんじゃ) |
| 所在地 | 奈良県奈良市矢田原町726(※歌姫町にも同名社あり) |
| 拝観料 | 境内自由 |
| 駐車場 | 近隣に数台分あり(事前に要確認) |
アクセス方法
- バス利用: JR奈良駅または近鉄奈良駅から奈良交通バス「和束町原山」行きまたは「誓多林」行きなどに乗車、「矢田原」バス停下車、徒歩約5分。
- お車: 奈良市中心部(県庁付近)から阪奈道路・国道369号を経由して東へ約20分。
おわりに
古代大和の歴史において、朝廷の食を守り、土地の平安を祈り続けてきた「添御県坐神社」。
派手な観光設備はありませんが、重要文化財の本殿や豊かな社叢を目にすると、千年以上前から脈々と続く祈りの重みがしっかりと伝わってきます。
奈良公園周辺の賑やかなエリアを楽しんだ後は、少し足を伸ばして大和の原風景と古代のロマンを感じる参拝旅を楽しんでみてはいかがでしょうか?

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