神 様 図 鑑 — No. 064
うひぢにのかみ・すひぢにのかみ 宇比地邇神・須比智邇神
神代七代の第一代・最初の夫婦神 / 大地の泥土から生まれた原初の神々 / 日本神話の「はじまり」を支える根源の神
神代七代・第一代の夫婦神
別天津神に続く最初の神代神
大地・泥土・根源の守護
古事記最古の「夫婦神」の形
国土生成の土台となった神
国津神
神代七代
第一代(最初)
神の種類
国津神(夫婦神)
名前の意味
泥土の神
神格
大地・土・根源・夫婦
続く神代
角杙神・活杙神(第三代)
男神(うひぢにのかみ)
宇比地邇神
うひぢにのかみ
「宇比地邇(うひぢに)」は「泥土・泥(ひぢ)の始まり(う)」。大地の泥土の男神的側面を体現。
女神(すひぢにのかみ)
須比智邇神
すひぢにのかみ
「須比智邇(すひぢに)」は「砂土・細かい泥(すひぢ)」。繊細な土・砂の女神的側面を体現。
① 名前と出典
| 正式名称 | 宇比地邇神(うひぢにのかみ)・須比智邇神(すひぢにのかみ)古事記 |
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| 日本書紀表記 | 泥土煮尊(うひぢにのみこと)・沙土煮尊(すひぢにのみこと)日本書紀 |
| 名前の意味 | 「宇比地邇(うひぢに)」は「最初(う)の泥土(ひぢ)に(に・格助詞)」——最初の泥土そのものを体現した神という意味。「須比智邇(すひぢに)」は「砂(す)の泥土(ひぢに)」——砂状の細かい土を体現した神という意味。古事記は「ひぢ(泥)」という語で大地の原初の状態を表現しており、二神の名はそのまま「泥土と砂土の夫婦神」という大地の二元的な構成を示している。 |
| 初出文献 | 古事記(712年)上巻・日本書紀(720年)神代上。別天津神(ことあまつかみ)五柱に続いて生まれた「神代七代(かみよのなな)」の第一代として記録される。神代七代は「大地が固まっていく過程で生まれた神々」として古事記の創世神話の重要な段階を構成する。 |
🌍 注目ポイント:宇比地邇神・須比智邇神は古事記の「神代七代」の第一代にあたる最古の夫婦神です。別天津神(天之御中主神・高御産巣日神・神産巣日神・宇摩志阿斯訶備比古遅神・天之常立神)に続いて生まれ、「大地の泥土が固まっていく過程」の神話的表現として「泥土」そのものが神格化されました。神代七代全体が「混沌から秩序へ・流動から固形へ」という宇宙の生成プロセスを体現しており、宇比地邇神・須比智邇神はその「最初の段階」を担います。
② 神代七代——日本神話の「世界の誕生」の全体像
🌍神代七代の全容——別天津神の後に続く「大地の誕生」の七段階
古事記では「別天津神(ことあまつかみ)五柱→神代七代」という二段階で世界が生まれる。神代七代は最初の二代が単独神(ひとりで生まれた神)、第三代以降が夫婦神(対で生まれた神)という構成で、「単独→夫婦」という生命の性の分化を示している。
第一代(本記事)
宇比地邇神・須比智邇神
うひぢに・すひぢに|泥土の神
第二代
角杙神・活杙神
つのぐい・いくぐい|芽生えの神
第三代
意富斗能地神・大斗乃弁神
おおとのぢ・おおとのべ|生命の神
第四代
淤母陀琉神・阿夜訶志古泥神
おもだる・あやかしこね|完成の神
第七代(最終)
伊邪那岐命・伊邪那美命
いざなぎ・いざなみ|創造の神
③ 活躍した時代
天地開闢の時代——世界が「混沌から秩序へ」固まっていく最初の段階
宇比地邇神・須比智邇神は世界がまだ混沌とした流動状態にあった時代に「泥土の固まり」として生まれた。大地が泥から固形の土へと変化していく過程の最初の段階を担う神として、「世界の始まり」という最も根源的な時代に属する。
宇比地邇神・須比智邇神は世界がまだ混沌とした流動状態にあった時代に「泥土の固まり」として生まれた。大地が泥から固形の土へと変化していく過程の最初の段階を担う神として、「世界の始まり」という最も根源的な時代に属する。
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03
登場する神話・伝説
天地開闢と神代七代——「泥から大地が生まれる」という創世の物語
古事記の冒頭は「天地がはじめて開けたとき、高天原に成った神」として別天津神が登場し、続いて「国稚く・浮かべる脂の如くして水母なす漂へる時」——まだ大地が固まらず、脂のように浮かんでいた時代——に神代七代が生まれたとされる。宇比地邇神・須比智邇神はこの「流動状態から最初の固形(泥土)が生まれた」という段階を体現している。「泥(ひぢ)」という語が両神の名前に使われていることが、「世界の最初の固形物は泥土であった」という古代日本人の宇宙生成論を示している。「混沌→泥土(宇比地邇・須比智邇)→芽生え(角杙・活杙)→充満(意富斗能地・大斗乃弁)→完成(淤母陀琉・阿夜訶志古泥)→創造(伊邪那岐・伊邪那美)」という神代七代の流れは、宇宙の成長プロセスを七段階で表現した壮大な神話的シナリオ。
出典:古事記(上巻)神代七代の段
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05
ご利益
大地・土地の守護
泥土の神として大地・土地への守護のご利益がある。地鎮祭・農地・土地に関わるすべての場面に縁がある根源の神。
夫婦円満・縁結び
古事記最古の夫婦神として夫婦円満・縁結びへの守護のご利益がある。「最初の夫婦」という格式から縁結りのご利益が。
始まり・新出発
「世界の最初の固形物」として始まり・新出発・スタートへの守護のご利益がある。物事のはじめに縁がある神。
建築・地盤守護
大地の泥土の神として建物の基礎・地盤・地鎮への守護のご利益がある。
農業・大地の恵み
土の根源神として農業・耕地・大地の恵みへの守護のご利益がある。
根源・本質の探求
世界の根源に位置する神として哲学・本質の探求・物事の根本へのアプローチに縁がある神格。
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