【神様図鑑】罔象女神(みつはのめのかみ)|水を司る清らかな女神

神社でお水をいただくとき、井戸や湧水に手を合わせるとき、
そこに静かに宿っている神様こそが「罔象女神(みつはのめのかみ)」です。

古代から人々の命を支えてきた「水」。
その水を司る美しく清らかな神、それが罔象女神です。


◆ 罔象女神とは?

項目内容
神名罔象女神(みつはのめのかみ)
読み方みつはのめのかみ
別名罔象女神、彌都波能売神、水波女神
神格水の神、井戸・川・雨・地下水の守護神
ご利益安産、農業繁栄、水害除け、浄化、生命力再生
主な信仰地水の神を祀る神社(井戸神社・水神社など全国各地)

◆ 神話での登場

罔象女神は『古事記』や『日本書紀』において、**伊奘諾尊(いざなぎのみこと)**が禊(みそぎ)を行ったときに生まれた神の一柱として登場します。

  • 伊奘諾尊が黄泉の国から戻った際、穢れを祓うために海で体を洗った(禊)
  • そのときに生まれた多くの神の中のひとつが「罔象女神
  • 「水」を象徴する神として、清浄・生命の源・再生の力を担う神として祀られた

また、『日本書紀』では「彌都波能売神(みつはのめのかみ)」という表記でも記されています。


◆ 名前の意味

「罔象女神」は、漢字では難しく感じますが、
読み下すと「みつは(=水の霊)」「のめ(=女神)」という意味になります。

  • 「みつ」=水
  • 「は」=霊(霊力・働き)
  • 「のめ」=女性神(女神)

つまり、「水に宿る神霊を持つ女性の神」という解釈です。


◆ ご利益と信仰

罔象女神は、以下のようなご利益があるとされています:

ご利益意味・由来
💧 安産・子授け水の流れのようなスムーズな出産・命の誕生
🌾 農業繁栄雨・湧水・用水を司る農耕神
🌊 水害除け水神として川や雨の災いを鎮める
🧘‍♀️ 浄化・癒し禊に由来する浄化の神力

特に井戸・泉・川・雨乞いの場面では深く信仰されてきました。


◆ 罔象女神が祀られる神社

日本各地にある「水神社」や「井戸神社」「龍神社」などでは、
罔象女神が主祭神または相殿神として祀られていることがあります。

代表的な例:

  • 伊勢神宮 内宮別宮 瀧原宮(三重県)
  • 白山比咩神社(石川県) 相殿神
  • **貴船神社(京都府)**の水の女神の本源とする説もあり
  • 熱田神宮の摂社・末社にも水神を祀る系譜の中で信仰あり

◆ 現代における罔象女神の意味

  • 現代でも井戸掘りや水道の工事前に祀られることがある
  • 神社参拝の際、手水舎の水の神として意識する人も
  • 「清める」「整える」「癒す」といった現代的なご利益が共感を呼び、ヒーリング・神社巡りブームでも注目されている女神です

◆ まとめ|水のように清らかに、命を育む女神

項目内容
神名罔象女神(みつはのめのかみ)
神格水の神、井戸・川・雨・清めの神
ご利益安産、農業繁栄、水害除け、浄化
主な信仰地全国の水神社、井戸神社、白山信仰関連社など
関連神伊奘諾尊、瀬織津姫、弥都波能売神、龍神系の神

水は命の源であり、浄化と再生の象徴です。
罔象女神は、そんな**「いのちの水」を神格化した存在**。

日々の暮らしの中で、水に感謝し、清らかな心を持ち続けるために――
罔象女神に祈りを捧げることは、今も意味のある信仰です。

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