【日本の祭図鑑】夏を彩る水の神事！日本三大川祭とは？

日本の夏祭りといえば、浴衣、屋台、花火、そして――
「川」を舞台にした壮麗な水上祭りが各地に存在します。

その中でも「日本三大川祭（にほんさんだいかわまつり）」は、
歴史・規模・神聖さを兼ね備えた、特別な三つの祭りです。

この記事では、各地域に根付いた日本三大川祭をご紹介します！

◆ 日本三大川祭とは？

「日本三大川祭」とは、川を舞台に行われる祭りの中で、
特に歴史や伝統が深く、多くの人々に親しまれてきた3つの祭を指します。

※地域や資料により「隅田川花火大会（東京）」や「長良川鵜飼（岐阜県）」を含む場合もあります。

今回は特に神事色が強く、「水上の神事」として知られる3大川祭をご紹介します。

～幻想の灯りが流れる「尾張の祇園祭」～

津島神社の祭礼として、600年以上の歴史を誇る日本最古級の水上祭。
神社の神輿を迎えるため、夜の天王川に**巨大な灯籠をのせた5艘の「巻藁船（まきわらぶね）」**が浮かびます。

その幽玄な光景は「日本三大川祭の中でも随一の幻想美」と称されます。

この祭りが、京都・八坂神社の祇園祭と並ぶ**「祇園信仰の祭礼」**であることから、
「尾張の祇園祭」と呼ばれることもあります。

～平安絵巻が水面に広がる神事～

世界遺産「厳島神社」の最大の神事のひとつ。
平安時代から続く由緒ある祭で、宮島の海に**御座船（ござぶね）が浮かび、
楽人を乗せた雅な管絃船（がんげんせん）**が、海上をゆったりと進みます。

まさに、平安時代の貴族の遊び「管絃遊び」が再現されており、
静かで優雅な水上の神事として知られています。

この神事を起源に持つため、厳島神社は「水上社殿の最高峰」とされ、
神と人と自然のつながりを感じる祭りです。

地域によっては「三大川祭」の3つ目に異なる祭が挙げられることがあります。

※川そのものを舞台にしていないため、三大川祭から除外されることもあります。

古来より日本では、川や水を「命の源」であり、神の通り道」として崇めてきました。

こうした信仰背景から、川を舞台とした神事は、命を守る祈りの場でもあったのです。

日本三大川祭は、「水に祈る」という共通の想いを、
地域の風土と信仰を通して表現した壮麗な伝統文化です。

夏の夜に、灯りがゆらめく川面を見ながら、
遠い昔からの祈りに想いを馳せてみてはいかがでしょうか。