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【お寺めぐり】高山寺-うさぎとカエルが相撲を取る国宝絵巻、明恵上人が育てた日本最古の茶園(京都府京都市)

高山寺 石水院
国宝建築・石水院。鳥獣戯画ゆかりの古刹

この記事でわかること
・うさぎとカエルが相撲を取る「鳥獣戯画」が、なぜ高山寺に伝わっているのか
・栄西から明恵上人へと渡った茶の種が、日本最古の茶園と宇治茶のルーツになったという話
・明恵上人が、どのようにしてこの荒れた山寺を今の姿へと再興したのか
京都市街から離れた高雄・栂尾(とがのお)の山中に佇む高山寺。教科書でもおなじみの国宝絵巻と、日本茶文化のルーツが、静かにこの寺で息づいています。

01. 高山寺の基本情報

正式名称 栂尾山高山寺(とがのおさん こうさんじ)
宗派 真言宗系単立
ご本尊 釈迦如来(しゃかにょらい)
中興の祖 明恵上人(みょうえしょうにん)
再興 建永元年(1206年)、後鳥羽上皇から寺域を賜り再興
寺格 世界遺産「古都京都の文化財」(1994年登録)
所在地 京都府京都市右京区梅ヶ畑栂尾町8
アクセス JRバス「栂ノ尾」下車、徒歩約3分
拝観時間 8:30〜17:00
拝観料 石水院拝観:一般1,000円、小学生500円(秋期は別途入山料500円)
公式サイト https://kosanji.com/

02. ご本尊「釈迦如来」ってどんな仏様?

釈迦如来(しゃかにょらい)
分類:如来
明恵上人が最も篤く帰依した仏様

① 一言まとめ
高山寺のご本尊は釈迦如来。悟りを開いた仏教の開祖そのものを表す仏様で、御朱印にも「釈迦如来」の文字とともに、鳥獣戯画のうさぎが描かれています。

② 由来・経典上の位置づけ
高山寺は奈良時代にさかのぼる古い歴史を持つとされますが、荒廃していたこの地を再興したのが、鎌倉時代の高僧・明恵上人です。建永元年(1206年)、後鳥羽上皇から栂尾の地を賜った明恵は、釈迦如来への篤い信仰のもと、この地に厳格な戒律の道場を築き上げました。

③ 姿・特徴
明恵上人は生涯にわたり釈迦如来を敬愛し、自らの見た夢を記録した『夢記(ゆめのき)』を残すなど、独自の求道の姿勢を貫いた人物として知られています。高山寺は、こうした明恵の厳しくも実直な信仰のあり方を、今に伝える寺院です。

03. ご利益・祈願

🧘 学業成就
🙏 諸願成就
🍵 心身健康
📿 心の安定

釈迦如来への祈りに加え、明恵上人にちなみ、学問成就を願う参拝者も多く訪れます。また日本最古の茶園があることから、お茶にゆかりのある人々にも親しまれています。

高山寺の茶園で摘まれたお茶は、かつて眠気を覚まし修行を助ける薬として重宝されていました。現代でも、集中力を高めたいときにお茶を一服する、という習慣の原点がここにあります。

04. 境内の見どころガイド

石水院(国宝)

高山寺 石水院
明恵上人ゆかりの国宝建築

鎌倉時代の建築様式を今に伝える国宝の建物です。明恵上人の後鳥羽上皇からの賜りを記念して建てられたとされ、境内で唯一、当時の姿をほぼそのまま残す貴重な建築です。

鳥獣人物戯画(国宝・複製展示)

高山寺 鳥獣戯画
うさぎ・カエル・猿が擬人化されて描かれる甲乙丙丁4巻の絵巻

高山寺を代表する宝物で、うさぎとカエルが相撲を取る場面などで広く親しまれています。現在、原本は東京国立博物館・京都国立博物館に分蔵されており、境内では高精細な複製を鑑賞することができます。

日本最古の茶園

高山寺 茶園
栄西から明恵へと渡った茶の種が育った、日本最古の茶園

宋から茶の種を持ち帰った栄西禅師が、明恵上人の求めに応じてその種を送り、明恵がこの地で栽培したのが、日本最古の茶園の始まりと伝えられています。この栂尾のお茶は「本茶」として名高く、後に宇治へと株分けされたのが、今日の宇治茶のルーツともいわれています。

高山寺は山中に位置し、境内の一部は自然豊かな山道になっています。歩きやすい服装での参拝がおすすめです。

御朱印情報

受付場所 備考
石水院拝観受付 「釈迦如来」の文字と鳥獣戯画のうさぎが描かれる(書置きのみ)

05. 参拝の作法ガイド

  1. 山門をくぐる前に、境内に向かって軽く一礼します
  2. 手水舎で両手と口を清めます
  3. 石水院・本堂の前で姿勢を正し、静かに合掌して一礼します
  4. お参りが終わったら、来た時と同じように山門で振り返り一礼して退出します
神社の「二礼二拍手一礼」とは異なり、お寺では拍手は打ちません。静かに手を合わせる「合掌」だけでよい、ということをお子さんにも教えてあげてください。鳥獣戯画のうさぎやカエルを探しながら参拝すると、お子さんも楽しく歴史に触れることができます。

06. 栄西から明恵へ、茶の種が結んだ縁

建永元年(1206年)、後鳥羽上皇から荒廃していた栂尾の地を賜った明恵上人は、この地に厳格な戒律修行の道場を築き上げました。明恵の求道の姿勢は非常に厳しく、生涯にわたって見た夢を記録し続けた『夢記』という日記を残すなど、独自の信仰のあり方を貫いた人物として知られています。

そんな明恵のもとに、宋で禅を学び茶の文化を持ち帰った栄西禅師から、貴重な茶の種が送られました。眠気を覚まし修行の助けとなるという茶の効能に着目した明恵は、この種を高山寺の地に植え、日本最古とされる茶園を育て上げます。栂尾で育ったお茶はやがて「本茶」として名高くなり、明恵は宇治の人々の求めに応じて茶の種を分け与えたとも伝えられています。今日、世界的に知られる宇治茶のルーツは、実はこの高山寺の茶園にあったのです。

07. 周辺スポット・アクセス

🚌 バス
JRバス「栂ノ尾」徒歩約3分
🍁 紅葉
高雄・槇尾・栂尾の「三尾」エリア
🅿️ 駐車場
周辺の有料駐車場を利用
⏱ 所要時間
境内散策 約40〜60分

高山寺は神護寺と同じ「三尾」エリアに位置し、あわせて巡る参拝者が多いエリアです。秋の紅葉シーズンは特に美しく、多くの参拝者で賑わいます。

08. まとめ

  • 高山寺は、明恵上人が後鳥羽上皇から賜った栂尾の地に再興した、厳格な戒律修行の寺
  • 国宝「鳥獣人物戯画」は、うさぎ・カエル・猿が擬人化されて描かれる、日本を代表する絵巻物
  • 栄西から明恵へと渡った茶の種が、日本最古の茶園として育ち、後の宇治茶のルーツになったと伝えられている

絵巻の愉快な世界と、茶文化の静かな始まり。ぜひ両方に触れに、高山寺を訪れてみてください。

09. ゆる仏様トーク

鳥獣戯画のうさぎたち、いわば「800年前に描かれた、日本最古の四コマ漫画のキャラクター」みたいな存在です。相撲を取ったり、大はしゃぎしたりする姿は、令和の今見ても思わず笑ってしまう愛らしさがあります。

「眠気覚ましの妙薬」

──明恵上人が栄西からもらった茶の種は、まさか後に日本を代表する「宇治茶」にまで発展するとは、思ってもみなかったことでしょう。小さな種一つが、大きな文化を育てることもあるのです。

10. 謎と考察コーナー

【謎】なぜ厳格な明恵上人の寺に、ユーモラスな鳥獣戯画が伝わっているのか?

【事実の整理】
明恵上人は、生涯にわたり夢を記録し続けるほど厳格で真摯な求道者として知られています。しかし高山寺に伝わる「鳥獣人物戯画」は、うさぎやカエルが相撲を取るなど、非常にユーモラスで遊び心にあふれた絵巻物です。厳格な明恵の寺と、この愉快な絵巻の組み合わせは、一見すると意外に思えます。

【私の考察】
なぜこの2つが同じ寺に伝わっているのでしょうか。私は、鳥獣戯画が単なる娯楽の絵ではなく、当時の貴族社会や仏教界を動物になぞらえて風刺する、鋭い批評精神を秘めた作品だったからではないかと考えます。厳格な戒律を重んじた明恵だからこそ、表面的な娯楽ではなく、その奥にある物事の本質を見抜く風刺の視点を、この絵巻の中に見出していたのかもしれません。

【結論(あくまで推測)】
鳥獣戯画のユーモアと、明恵上人の厳格さは、一見相反するようでいて、実は「物事の本質を見抜く」という一点で通じ合っていたのではないでしょうか。あなたはどう思いますか?

※あくまで私の考察です。

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