神 様 図 鑑 — No. 048
おもいかねのかみ 思兼神
天岩戸作戦の立案者 / 万の神の知恵を一身に体現した知の神 / 学問・思案の神
① 名前と出典
| 正式名称 | 思兼神(おもいかねのかみ)古事記 |
|---|---|
| 日本書紀表記 | 思金神(おもいかねのかみ)日本書紀 |
| 名前の意味 | 「思(おもい)」は思考・思案・考え。「兼(かね)」は兼ね備える・まとめ持つ。全体として「思いを兼ね備えた神」——万の神の知恵を一身に兼ね持ち、深く思案する知恵の神という意味。古事記では「思金神・布刀思金神(ふとおもいかねのかみ)」とも記され、「深く」「豊かに」という修飾語が加わる。 |
| 初出文献 | 古事記(712年)上巻・日本書紀(720年)神代上。天岩戸の場面で「八百万の神々の知恵を一身に兼ね備えた神」として、天岩戸解決の作戦(天宇受売命の踊り・天児屋命の祝詞・天手力男神の引き開けなど)を立案した神として登場。 |
② 神様の種類・神格
| 分類 | 天津神——万の神の知恵を一身に兼ね持つ知の神——「八百万の神の思慮を一身に兼ね備えた」という古事記の描写が示すとおり、思兼神はすべての神の知恵を集約・統合する存在として神話に位置づけられる。「多くの意見を統合して最善の策を生み出す」というリーダーの知恵の神格。 |
|---|---|
| 神格 | 知恵神・学問神・思案神・謀略神・発明神・企画神 |
| 特徴 | 天岩戸の作戦において「踊り・祝詞・祭具・力」という異なる要素を組み合わせた複合的な作戦を考案した思兼神の神格は、現代で言えば「プロデューサー・プランナー・ストラテジスト」に相当する。「実行するのは他の神々だが、設計したのは思兼神」という構造が思兼神の神格の本質。 |
③ 系図
④ 活躍した時代
天岩戸において「考えること」で神話最大の危機を解決した思兼神は、天孫降臨にも随行して以降、信濃国(長野県)に鎮まったとされる伝承がある。穂高神社・戸隠神社などに縁があるとされ、「思う・考える・知恵を絞る」という行為への守護神として現代も受験生・研究者・発明家・経営者から信仰される。
祀られる神社
登場する神話・伝説
天岩戸において思兼神が担った役割は「考えること」です。「どうすれば天照大神を岩戸から出せるか」という神話史上最難題に対し、「踊りで神々を笑わせ・岩戸に気を引き・祝詞で心を動かし・力で岩戸を引き開ける」という複数の要素を組み合わせた複合的な作戦を立案しました。これは現代で言えば「マーケティング戦略・イベント企画・チームマネジメント」に相当する高度な知的作業です。思兼神の神格は「考えることが世界を変える」という知性の力への信仰の根拠となっており、受験・研究・経営・発明など「頭を使う仕事」すべてに縁があるとされています。
天岩戸作戦の立案——知恵で神話最大の危機を乗り越えた
古事記によれば、天照大神が天岩戸に引きこもったとき「天の中が常闇になり、悪事が次々と起きた」という大混乱に陥った。八百万の神々が集まって対策を協議した際、「八百万の神々の思慮を一身に兼ね備えた」思兼神が解決策を考案した。「鶏を鳴かせて夜明けを模倣し(常世の長鳴き鳥を呼び集める)・踊りで神々を笑わせ・祝詞で賛美し・鏡と玉で飾り付け・力で引き開ける」という多面的な作戦が見事に成功し、天照大神が岩戸から出てきた。「考えることが最大の武器」という思兼神の神格は、武力でも言葉でも物でもなく「思索(シンキング)」が世界を救うという日本神話唯一のメッセージを体現している。
逸話・エピソード
長野県戸隠の戸隠神社は五社(奥社・中社・宝光社・九頭龍社・火之御子社)からなる複合神社で、天手力男神(奥社・No.049)・思兼神(中社)をはじめとする天岩戸ゆかりの神々を祀る。戸隠という地名の由来は「天手力男神が投げた岩戸がここに飛んできた」という伝承から。樹齢数百年の杉並木を歩いて奥社に参拝するルートは「長野の神道体験」として神社ファンに絶大な人気。「学問成就・知恵・思案(中社・思兼神)→力・スポーツ・開運(奥社・天手力男神)」という参拝コースで、思兼神と天手力男神を両方参拝できる長野の聖地として名古屋から特急で約2時間という利便性も魅力。

コメント