神の種類
天津神
総本社
戸隠神社 奥社(長野)
天岩戸での役割
岩戸を引き開けた神
神格
怪力・スポーツ・開運
岩戸を投げた場所
信濃国(戸隠)
📅 2026年5月5日✍️ 神社めぐり管理人 🗂 神様図鑑シリーズ📖 読了目安:9分

① 名前と出典

正式名称天手力男神(あめのたぢからおのかみ)古事記
日本書紀表記天手力雄神(あめのたぢからおのかみ)日本書紀
名前の意味「天(あめ)」は高天原。「手力(たぢから)」は「手の力・腕力・膂力(りょりょく)」——「たぢ」は「力(ちから)」の古形とも、「立ち(たち)」から「立ち働く力」ともされる。「男(お)」は男神。「神(かみ)」は神格。全体として「天上界の腕力の強い男神」——怪力・体力・勇猛さを体現した力の男神という意味。
初出文献古事記(712年)上巻・日本書紀(720年)神代上。天岩戸の場面で、思兼神の作戦に基づき天照大神が岩戸を少し開けた瞬間に「岩屋の傍に隠れていた」天手力男神が岩戸を掴んで力づくで引き開け、天照大神が外に出られるよう導いた神として記録される。
💪 注目ポイント:天手力男神は天岩戸を「手の力で引き開けた」日本神話最強の力持ちの神です。長野県長野市の戸隠神社 奥社の主祭神として、樹齢数百年の杉並木の参道を歩いた先の神秘的な空間に鎮まります。「投げた岩戸が戸隠山になった」という伝説から戸隠(とがくし)という地名が生まれたとも言われます。スポーツ選手・武道家・力仕事に従事する方から特に信仰が厚く、「勝負前の参拝」「ここ一番の力を引き出す神」として現代でも人気の高い神様です。

② 神様の種類・神格

分類天津神——怪力・体力・行動力を体現した実行の神——思兼神(知恵・立案)と対をなす「力による実行」の神。「考えるだけでは世界は変わらない——最後は力で引き開ける」という神格の本質は、「知恵と力の両方が揃って初めて不可能を可能にできる」という神話的メッセージを体現する。
神格力神・スポーツ神・武道神・開運神・行動力神・突破力神
戸隠山との関係古事記では「天手力男神が投げた岩戸が信濃国(長野県)に落ちた」という記述があり、この岩戸が落ちた場所が「戸隠(とがくし)」という地名の由来とされる。「岩戸を投げた神がその地に鎮まる」という伝承から戸隠神社奥社の主祭神となった。

③ 系図

父母神
(記録なし)
高天原の天津神
本神
天手力男神
あめのたぢからおのかみ
鎮座地(岩戸を投げた地)
戸隠山(長野県)
戸隠神社 奥社

④ 活躍した時代

💪
神代(天岩戸)——思兼神の知恵の最終実行者として世界を救い、信濃に鎮まった力神
天岩戸において思兼神の立案した作戦の「最後の力」を担った天手力男神は、岩戸が少し開いた瞬間に掴んで力で引き開けた。岩戸を信濃国(戸隠)まで投げ捨てた後、その地に鎮まったとされる。現代でも戸隠神社奥社の主祭神として、スポーツ選手・武道家・力仕事の方から「勝負前」「ここ一番」の参拝が続く。
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02

祀られる神社

📌 天手力男神を最も身近に参拝できる場所として、三重県鈴鹿市の椿大神社(つばきおおかみやしろ)が名古屋から車・電車で約1時間というアクセスの良さで人気。また戸隠神社奥社は長野県の神社ファン必訪の聖地。名古屋から特急しなので約2時間(長野駅)→バスで約1時間。
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03

登場する神話・伝説

💪戸隠山の由来——「岩戸を投げた」神が今も信濃に鎮まる

天手力男神が天岩戸を引き開けた後、岩戸を「信濃国(長野県)に向かって投げた」という伝承があります。その岩戸が落ちた場所が「戸が隠れた山(戸隠山)」となり、「戸隠(とがくし)」という地名の由来になったとされています。現在の戸隠神社はその地に鎮座しており、「神が投げた岩の上に神社がある」という神話的なロケーションが戸隠の特別な霊気を生み出しています。戸隠山(標高1,904m)は修験道・山岳信仰の聖地としても知られ、奥社へ続く樹齢数百年の杉並木の参道(約2km)は日本随一の「神話の参道」として神社ファンを魅了し続けています。

天岩戸を引き開けた瞬間——「力」が世界に光を取り戻した
思兼神の作戦どおりに天宇受売命が踊り、神々が笑い声を上げ、天照大神が岩戸を「一体何事だ」とわずかに開けたその瞬間——「岩屋の戸の傍らに隠れて待っていた」天手力男神が岩戸を掴み、力を込めて引き開けた。天照大神が外に出た直後に布刀玉命(天太玉命)が縄を張って「もう戻れない」ようにした。この瞬間、高天原と葦原中国に光が戻り、天地が明るくなったとされる。「知恵(思兼神)が設計し、行動(天宇受売命・天児屋命・天太玉命)が準備し、力(天手力男神)が完成させる」という天岩戸解決の構造において、天手力男神は「最後の一押し」を担った不可欠な存在として神話に刻まれている。

出典:古事記(上巻)天岩戸の段・日本書紀(神代上)
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逸話・エピソード

EPISODE 01戸隠神社 奥社——樹齢数百年の杉並木を歩く神話の参道

戸隠神社奥社への参道は約2kmの杉並木で、樹齢数百年の杉の巨木が両側に立ち並ぶ「神話の森」を歩く体験として全国の神社ファンに憧れの参拝コースとして知られる。杉並木の入口から奥社まで徒歩約40〜50分。冬季(11〜4月)は積雪で別世界の景観になり、真っ白な雪の中を歩く冬の奥社参拝は「戸隠神社最高の体験」として神社ファンから高い評価を受ける。奥社の手前にある「随神門(ずいじんもん)」から続く杉並木の景観は、「日本の神社参道で最も美しい」と言われることもある絶景。スポーツ選手・武道家が「試合前の必勝祈願」として訪れることが多い、パワースポットとしても有名。

EPISODE 02椿大神社——名古屋から最寄りの天手力男神の聖地

三重県鈴鹿市の椿大神社(つばきおおかみやしろ)は猿田彦大神(No.011)を主祭神とするが、境内に「天手力男神社」が設けられており天手力男神への参拝ができる。名古屋から車で約1時間・電車でも伊勢鉄道経由で約1時間半というアクセスの良さから、「名古屋在住者が天手力男神に最も参拝しやすい神社」として神社ファンに知られている。猿田彦大神(道開きの神)と天手力男神(力・突破の神)という「道を開き力で進む」という二神を一社で参拝できる縁起のよい神社として、就職・開業・スポーツなどの祈願に訪れる方が多い。

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ご利益

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スポーツ・体力向上
「天岩戸を引き開けた」怪力の神として体力・筋力・スポーツ競技への守護のご利益がある。アスリート・武道家から最も信仰される神のひとり。
🏆
勝負必勝・試合勝利
岩戸という「絶対に開かないもの」を開けた神として試合・競技・勝負への必勝守護のご利益がある。「ここ一番の力」を引き出す神。
🚀
突破力・開運
岩戸という「障壁」を力で開いた神として壁・障害・困難を突破するための開運のご利益がある。「前に進む力」の守護神。
⚙️
体力仕事・労働守護
力仕事の神として農業・建設・製造・肉体労働への守護のご利益がある。「手の力・腕力」を祀る名のとおり、働く手を守る神。
🎯
実行力・行動力
「考えるだけでなく実行した」神として実行力・行動力・決断から行動への守護のご利益がある。
🌅
厄除け・邪気払い
神話最大の閉塞(常闇)を力で解決した神として厄除け・邪気払い・閉塞打破への守護のご利益がある。
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関わりの深い場所・聖地巡礼

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